酒と音楽、そして作業療法の話

主に作業療法、時折音楽や子育てのことを、酒を飲んだりしながら書いていきます。

【書籍紹介】精神医療に葬られた人びと

 今回は「精神科医療に葬られた人びと~潜入ルポ 社会的入院~」という本を読みました。

精神医療に葬られた人びと?潜入ルポ 社会的入院? (光文社新書)

精神医療に葬られた人びと?潜入ルポ 社会的入院? (光文社新書)

 

 最近はKindle Unlmitedでちょっとでも気になったら、読むみたいな感じになっていて、電車の中でもスマホで読めたり、ちょっとした隙間時間で読めるので重宝しています。ただ、スマホだと字が小さい…。 

 

 この本はいわゆる精神科の病院に「社会的入院」をしている一郎さんと、短期の入院をした筆者との出来事を振り返るというものです。それとともにその背景となっている、日本の精神科医療のことについて、細かく説明されています。 今の精神科医療に対する批判をする本ですので、文章の表現が強めである印象も受けました。しかし、やはり日本の精神科医療は過去も現在も課題にあふれているのだと思います。

 

 社会的入院とは、病気による症状のために家に帰れないという状態よりも、本来 の 治療 目的 で 病院 に 入院 し て いる のでは なく、 生活 条件 が 整っ て い ない ため 長期 入院 を 続け て いる 状態、 または その 状態 の 患者

 

 と、本の中では説明されています。私が、実習に行った病院もそのような方が非常に多かった記憶があります。その背景には、日本の精神科医療の制度や、文化が非常に絡んでいるということが理解できました。

 

 幻覚がある方たちを、プラトンたちは神から選ばれたものと見たり、沖縄ではカミダーリとして、神が憑依した人としてとらえたりしていたようです。しかし、現代では治らない病として、その性格や行動までをも否定されたり、病気として取り扱われます。状態なのか、病なのか、どのように解釈するのか、は文化からの違いなのだろうなと思いました。

 

 また、時折でてくる作業療法の記述も参考になりました。

 

 まずOTの説明が「OT(生活作業訓練療法)」となっていたり、「作業療法」という名の「強制労働」という見出しがあったりと、精神科作業療法がどのような歴史をたどってきたのかなんとなく思うところがありました。

 

これらの活動は、たしかに脳に刺激を与えるという意味で、無為自閉状態への防波堤にはなるかもしれ ない。だが、集団的管理に凝り固まったこの活動の場 が、どこ まで彼らの「生」に輝きをもたらすというのか。

 

 精神科作業療法に限らず、医療全体として色々な課題がまだまだあるなと感じさせられた本でした。

 

 では、また!